Ep2. シンデレラ大作戦

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そしてついに、高校に入学する日がやってきた。 私は高校の制服をバッチリ着こなし、気合いをいれて入学式にのぞんだ。 「よし、頑張ろっ!」 小さな顔にスラっとした長い足、サラサラのロングヘアーに華奢な腕。 入学式で私の噂をしない者はいなかった。 「ほら〜、あの子あの子。めちゃくちゃ可愛いよね。」 「それ、私も思った。新入生の小日向菜穂でしょ。」 「レベルが違うって言うか…。もう妬みようがない美人だよね。」 「俺、あの子狙っちゃおうかな。彼氏いんのかな?」 「ふふっ。あんたじゃ無理よ。相手にもされないわよきっと。」 「イケメンな彼氏いんだろうな〜。モテモテだろうし…。」 そんな会話があちこちで耳に入ってきた。 「彼氏どころか、今まで付き合ったことすらないんだよな…。第一、私男の人苦手だし。他の人にはそう見えてるんだ。」 そんなことを思いながら、私は静かに席についた。 「よーし。みんなおはよう!これから君たちの担任をする高橋圭悟だ。よろしくな。俺達は今日から仲間だ。良いチームワークでクラスをもりあげていこうな。」 高橋先生の野太い声が教室中に響いた。 「じゃあ、さっそく出席とるぞー。」 先生が口を開けたその時だった。 ガラッーー そこには見たこともないくらいのイケメンが立っていた。 さらによく見ると、腕には高そうな時計、耳にはキラキラ光るピアス…。 持ち物全てがブランド物のようだった。 「あっあの人、九条奏多(クジョウカナタ)じゃない?」 「えっ嘘。あの九条薬品の御曹司の?」 教室がザワザワした。 「おっ!九条だな。遅刻だぞ。早く席に着け。」 先生の言葉を聞くことなく九条奏多は静かに席についた。
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