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「ハルちゃん、あのね…。ずっと前から好きだったの。」
中2の私にとって初めての告白だった。
今までにない緊張…。
私の心臓の音だけが、教室に響く…。
顔がすごく熱い…。
私はそっと彼の顔を見た。すると彼は、とっさに顔を隠した。
「そっ…そんなじっと見るなよ。俺だって恥ずいんだよ。」
その言葉を聞いて、私はすごく幸せだった。
その後、二人は手を繋いだまま何も言わずに帰った。
彼は涼川春翔(スズカワハルト)。幼稚園からの幼馴染だ。ハルちゃんは、スポーツ万能で頭も良くて、おまけに顔もイケメン…。昔からクラスの人気者であるハルちゃんを女子は放っておくはずも無く、ずっとモテモテだった。
対して私は、地味でメガネで、ぽっちゃり気味。いわゆる隠キャだった。友達は出来てもいじられたり、パシリ扱いしたり…。もう散々な学校生活だった。
そんなとき、ハルちゃんはいつも助けてくれた。ハルちゃんだけが私の生きがいだった。
まさか成功するとは思わなかったが、私は勇気を振り絞って告白した。
私はその日の夜、幸せを噛みしめながらこれからの生活を夢みていた。
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