プロローグ

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プロローグ

 ある日とつぜん、王子さまみたいな男の子が現れて、わたしのことを好きになってくれたりしないだろうか。  女王さまみたいなミオちゃんにも、アイドルそっくりなメイちゃんにも目をくれず、わたしのことだけをそのきれいなひとみに映して、 「会いたかったよ、ひまり」  なんて、ほほえんでくれたりしないだろうか。  そうしたら、いつもいじわるばかりするミオちゃんをくやしがらせることも、あこがれのメイちゃんに「すごいよ、ひまりちゃん」なんてほめられたりすることも、あるかもしれない。  幼なじみのハルトくんだって、ちょっとくらい、ヤキモチをやいてくれるかもしれないのに。  そんな、わたしみたいなふつうの女の子が、クラスじゅうのみんなを、あっと言わせるようなできごとが。  わたしの身にも、起きてくれたりしないだろうか。
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