僕がニートを卒業しようと決めた日

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*** 僕の家族は、6人家族。 田舎にそびえ立つ、なんてことない1件家だ。 そんな1件家で暮らし、育ってきた。 年上の兄は、高校を卒業するなり、東京の大学へと進学した。 この時点で、5人家族。 父親は、普通のサラリーマン。 母親は、パートの従業員。 祖父は、無職。 祖母も、無職だ。 昔は、祖父は鉄工所に。 祖母は、社員食堂のパート従業員だった。 そんな家族の中で、僕は中学校を卒業し、高校を半年で辞めて、しばらく非行の道に走った。 その後、病気をきっかけに、ニートになった。 なんてことない。 よくある家庭。 ただ1つ。 1つだけ違うと言えば。 祖父が暴力をふるう人。 今の時代で言う、DV男だと言うことくらいだ。 人は、嫌なことを記憶から消し去る生き物のようで、祖父が祖母に暴力をふるっているところを、見た記憶は、僕にはない。 母親に昔話を聞いてみると、殴られた顔が膨れ上がった祖母。 廊下でバケツを使って水をかけられた祖母。 肋骨にヒビが入った祖母。 色々と、あるらしいが、僕は覚えていないどころか、思い出すことすらできず、何の記憶もない。 ただ1つだけ。 今でも思い出せるのは。 畳の部屋で横たわる祖母の横に、白い鉄でできた円柱のような形のゴミ箱が、ベコッと。大きくへこんでいる。 このシーンだけは、何故だか写真が脳内に貼りついているかのように、思い出すことができる。 そんな家庭で育ち、無職の祖父に、無職の祖母。 無職の僕が暮らす。 それが、この家の、日中の家族構成だ。
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