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僕の家族は、6人家族。
田舎にそびえ立つ、なんてことない1件家だ。
そんな1件家で暮らし、育ってきた。
年上の兄は、高校を卒業するなり、東京の大学へと進学した。
この時点で、5人家族。
父親は、普通のサラリーマン。
母親は、パートの従業員。
祖父は、無職。
祖母も、無職だ。
昔は、祖父は鉄工所に。
祖母は、社員食堂のパート従業員だった。
そんな家族の中で、僕は中学校を卒業し、高校を半年で辞めて、しばらく非行の道に走った。
その後、病気をきっかけに、ニートになった。
なんてことない。
よくある家庭。
ただ1つ。
1つだけ違うと言えば。
祖父が暴力をふるう人。
今の時代で言う、DV男だと言うことくらいだ。
人は、嫌なことを記憶から消し去る生き物のようで、祖父が祖母に暴力をふるっているところを、見た記憶は、僕にはない。
母親に昔話を聞いてみると、殴られた顔が膨れ上がった祖母。
廊下でバケツを使って水をかけられた祖母。
肋骨にヒビが入った祖母。
色々と、あるらしいが、僕は覚えていないどころか、思い出すことすらできず、何の記憶もない。
ただ1つだけ。
今でも思い出せるのは。
畳の部屋で横たわる祖母の横に、白い鉄でできた円柱のような形のゴミ箱が、ベコッと。大きくへこんでいる。
このシーンだけは、何故だか写真が脳内に貼りついているかのように、思い出すことができる。
そんな家庭で育ち、無職の祖父に、無職の祖母。
無職の僕が暮らす。
それが、この家の、日中の家族構成だ。
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