第十三章 告白と婚約と

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「仲人さんから、連絡があったよ。どうして、僕との縁談を断ったの? 付き合ってるでしょ、僕たち!」 「付き合って、た」 「え?」 「もう、過去形。俺、陽詩の。いや、宮迫くんの恋人じゃないから」 「……何、言ってるの?」  はは、は、と陽詩は笑う。  顔をひきつらせ、涙をこぼしながら。 「嘘、でしょ。僕を驚かせようと思って、それで」 「ああもう、ウザいんだよ。いいから、そこどけよ。瑠衣が降りられないだろ」  そこでようやく、陽詩は瑠衣を見た。  涙でぐしゃぐしゃの顔で、物凄い形相で睨みつけた。 「瑠衣、お前。お前のせいだな! お前が寿士さんのこと、たぶらかしてぇえ!」  がッ、と瑠衣の首に陽詩の両手がかけられた。  渾身の力で締められ、瑠衣はもがいた。 「や、やめッ。苦し、ッ!」 「何してんだ、お前!」  寿士が身を乗り出し、陽詩の手を力づくで解いた。  その指に、プラチナのリングを見つけて陽詩は怯んだ。  すぐに瑠衣の手に、目をやった。  そこにも、お揃いのリングが輝いている。 「そんな……」  糸の切れた操り人形のように、陽詩はぐったりとシートにもたれかかった。
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