第十三章 告白と婚約と

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「じゃあ、寿士さんは一生独身だね」 「瑠衣」 「大丈夫。僕は捨てられるまで、ずっと愛人でいてあげる。寿士さんが、お爺ちゃんになっても」 「いや、待てよ。瑠衣、それは」  寿士がそこまで言ったところで、スマホが鳴った。 「父さんだ。何だろ」  もしもし、と気軽な気持ちで寿士は電話に出た。  しかし、父の言葉は重いものだった。 『寿士、お前18歳の少年と同棲してるそうだな』 「そうだけど。何で知ってるの」 『しかも、どこの馬の骨とも解らないΩだそうじゃないか!』 「だから、何で知ってるの!」 『仲人さんを通して、宮迫さんの息子さんから知らされた。婚約指輪までしてる、だって!?』  やられた、と寿士は唇を噛んだ。  陽詩のやつ、最後の悪あがきを! 『一緒に旅行して浮かれてるらしいが、まさかお前が言ってた好きな人、というのは、それか!?』 「それ、って何だよ。瑠衣は品物じゃないよ!」 『そのうち紹介する、とか言ってたが。紹介するまでもない、捨てなさい!』 「嫌だ!」 『寿士!』  父親の怒声は、瑠衣の耳まで届いていた。  彼はただ、小さくなって震えるしかなかった。
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