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『瑠衣? どうしたの、何かあったの?』
「ごめんなさい、もうすぐ着くから。詳しい話は、それから」
『解った。待ってるよ』
「ごめんなさい、寿士さん」
『いいんだ。瑠衣が無事なら』
通話を切って、瑠衣はスマホを胸に抱いた。
「寿士さん、このごろ優しい」
以前なら、『遅い。何やってんの』と来るところだ。
「寿さん、ったら。『いいんだ。瑠衣が無事なら』とか!」
もう、座席シートにごろんごろんして悶えるところだが、そこはぐっと我慢した。
「はい、着きましたよ」
「あ、ありがとうございました」
運転手の言葉に我に返った瑠衣は、料金を払って待ち合わせの場所へ急いだ。
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