第十四章 この身体も、その心も。

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 スーツをオーダーし、外で食事を終えた寿士と瑠衣は、マンションでくだんの老人について語っていた。 「でね、こんなにお礼もらっちゃった。どうしよう」 「世の中には、ずいぶん気前のいい人もいるんだなぁ」 「寿士さんだって、その一人のくせに」 「俺?」 「クリスマス・イヴに、ノルマケーキ5個も買ってもらった時、嬉しかったな」  瑠衣は、少し瞼を伏せて小さく言った。  すぐに顔をあげて、睨んできたが。 「その後、ガンガン犯されたけどね!」 「わ、悪かったよ」  あの時は、下心しかなかったよな、と寿士は振り返る。  一目で、瑠衣が気に入った。  こんな可愛い子を抱けば、どんな風に啼き悦がるか見てみたかった。  一度抱いたら、もう手放したくなくなった。
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