特別挿入話ー前段ー

3/5
前へ
/20ページ
次へ
麻衣と剣崎の駆引き、そして密談/ヒールズにて③ 『おそらく、おけいは彼氏にクスリやってる姿までも晒して、後戻りできない状況に自分を追い込んだ…。そんなところです。やっぱり勇気いりますからねー、そりゃあ薬物抜くんですから(笑)』 「…」 『純情一直線のおけいのことです、愛する年上の彼に自分の汚点は隠しておけないんでしょう。そこで、クスリのことが外部へ漏れる可能性が出てきた訳ですが…。どうします?おけいを消しますか?』 「…さっきお前が口にした、材料を提供できるという件を先に聞こう。…マッドハウスへ探りを入れれば、”そいつ”が手に入ると見込んでるんだな?」 ”そうきたか…。よし、イッキで行ってやれ” ... 『ええ。…あそこは建田さんが周辺の地上げ事業地の立ち退き目的から、ライブハウスにしたと聞いてます。そこの専属メンバーなら、深く調べれば”いろいろ”と出てくるかもしれませんよ。これは私のカンも有ります』 ”私のカンというくだりで、この人、ちょっと表情が変わったわ” 『私が剣崎さんの意向を汲み取って動けば、スルーしちゃうネタも拾いもらしません。おけいの彼氏を切り口に、建田さんとこの若い組員まで追っかければ、そりゃあ、こっちで使えるパーツは結構あると思いますが…』 「ふふ‥。それで、お前、俺に何を求める気だ」 『おけいは相馬さんとの誓いを守るために、あの男にありのままを見せたんでしょう。しかし、私には許せない。…ヤツの行為にはそれなりのケリをつけますよ、私』 「…」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加