特別挿入話ー前段ー

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麻衣と剣崎の駆引き、そして密談/ヒールズにて④ 『その為にも、まずはアキラとかって呼ばれていたその男を洗いたいんです。その際、対象範囲はマッドハウスに関わる建田さん自身も含まれます。その把握した状況をみて、自分の組み立てを考えて行きます。あくまで走りながら』 ”剣崎さん、私の一言一句を聞き逃さんばかりだ…” 『…それを含めたアクションも放ちたいってことです。ついては、剣崎さんから組織としてのヘルプと潜入の許可をいただきたいんです。いかがでしょうか?』 ”ここで私はズバリと迫った” ... 「もう一度確認するが、お前のその行動とやら、こっちの二代目争いを有利に運ぶ環境作りも前提と捉えてってことでいいんだな?」 『その通りです。政敵を追い落とすネタ探しなんて、組の然るべき人間なんかじゃできる訳ありませんよね。だけど、今の私なら特殊なポジションを活用できますから、必要以上に怪しまれるリスクは少ない…。であれば、剣崎さんにも好都合な話じゃないかと…』 「なるほどな…(苦笑)。今一つだ。今回は探りを入れるだけでなく、麻衣のやりたいこととこっちの思惑、その両方をすくいあげる組み立てで、それに向けたタマもその周辺とやらにぶち込んでくるってことだな?」 『はい。その結果もみて、こっちで利用できる人間はピックアップして来るつもりです』 「…」 ”剣崎さん、ちょっと目がぎらついたぞ” ... 「フン、ションベン娘が、何とも大胆極まりないたいそうなことを考えるもんだ。まあ、実際そうなれば、こっちは至れり尽くせりだが」 『すべては私の組み立てを、そちらが判断してくれればいいです。私じゃなくて、相和会幹部としての剣崎さんとして、横田競子への処し方も全部…』 「…それと、お前の身の振り方もだな」 『はい…』 「わかった。お前のことだ、人の考えが及ばない発想でさぞかし仰天の組み立てを練ることだろう。その辺は相馬豹一の域だろうからな。やってみろ。全責任は俺が持つ」 ”ハハハ…、思った通りになっちゃった”
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