特別挿入話ー前段ー

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麻衣と剣崎の駆引き、そして密談/ヒールズにて⑤ ー以下、剣崎の胸中ー ”麻衣のヤツ…、どうやら跡目争いのアウトラインは掌握してるようだ。例の鋭いカンってところなんだろう。何しろ、アイツには組織内の突っ込んだところは特段告げていない。だが、現状認識はほぼ正確だったしな…” ”ふふ、ここは麻衣の掌に乗っかってやろう。ネタはダメもとで考えればいい。アイツなら尻尾を掴まれる心配はないし。…それにしても、あのケイコがマッドハウスに関わりのある男とかよ…。正直、たまげた…” ”葬式の日にマッドハウスへ遣わした時に知り合ったのか…?ちょっと急すぎる気がするが…。それにしても、ケイコのあのピュアな性分はハンパない。ある意味、”ガキ管理”の立場からしたら、麻衣より危険な存在かもしれない” ”何しろだ…。例のクスリが会長の残した負の遺産だ。二代目の座を巡るデリケートな時期にこれが外部に漏れたら、こっちは命取りになる。麻衣はそれを見抜いて、俺に取引を持ちかけたんだ…” ”そうであれば、ケイコの処分も含め、麻衣の言う通りヤツの首尾を待って”全部”を計ろう。矢島さんには事後報告で済ます。この厳しい局面だ、一か八かのリスクは避けられん。ふう‥、あの人を後継に据えるまでは当分、気が休まらんな…” ー完ー
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