イモルテル

６

　数日後、ぼくの誕生日にパパが帰ってきた。
　ぼくが元気がないのを心配するかと思ったけど、そんな感じはなかった。でも、ぼくの胸に聴診器を当てて、真面目な顔でこう言った。
「明日、病院に行くぞ」
　ぼくはすごく心配になった。仔猫も死んじゃったし、ぼくも死んじゃうのかな？病気の子どもなんて、いないほうがいいのかな？

　こんなに悲しい誕生日は初めてだった。
　ママの作ってくれたご馳走、パパがくれた新しいラジコンと、望遠鏡。すっごく欲しかったプレゼント、だけど喜べなかった。

　ママが誕生ケーキを持ってきた。ケーキの箱を横に置いて、ろうそくを11本慎重に立てる。でも、もしかしたらぼくの最後の誕生日になるのかな？パパがろうそくに火をつけて、部屋を暗くする。
「お誕生日おめでとう！ジェイク」
　パパとママが祝ってくれる。

　にゃあにゃあ！

「！」
　仔猫の鳴き声が聞こえる？そら耳かな？