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人間ひとつやふたつ、秘密がある。特に10才の男の子なら、人に言えない秘密がないほうがおかしい。
ぼくの秘密その1・・・ぼくはママの子供ではない。
衝撃的だろ?
それどころじゃない、ぼくのママは人間じゃない。
見た感じは確かに人間だし、人間として普通に暮らしている。だけど、ありえないんだ・・・人間だとしたら。
だからママは、ぼくの本当のママではないんだ。
先月、ママの誕生日。
パパから水色の箱に入ったネックレスをもらって、ママはとっても嬉しそう。そして、お誕生ケーキ。でも、ろうそくが3本しか立ってない。
ぼくはママに尋ねた。
「ねえ?ママっていくつになったの?」
パパが口をはさむ。
「ジェイク、女の人に年を聞くのはエチケットに反するぞ」
「でも、ぼくのママだよ?」
ママはいたずらっぽい笑顔を浮かべる。
「じゃあ、特別にジェイクにだけ教えてあげる」
ただ何才かって聞いただけなのに、すごい秘密を打ち明けるみたい。
「ママはね、22才!」
「ふうん」
おとなの年ってよくわかんないけど・・・。
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