イモルテル

４

　ぼくはキッチンからミルクとお皿を取ってきた。
「ほら、飲みなよ」
　お皿にミルクを入れたけど、仔猫は飲まない。
　そりゃあそうだよね。まだ目も開いていない生まれたばっかり。ママのおっぱいからじゃないと飲めない。ぼくは理科の実験キットからスポイトを探し出すと、ミルクを吸い上げて仔猫の口につけた。仔猫はペロペロ舐めて飲んでるけど、なんか飲みにくそう。すぐにやめてしまって、またにゃあにゃあ鳴きだした。しばらく鳴いていたけど、寝ちゃった。

　その夜は眠れなかった。仔猫をどうしよう？パパなら、きっと飼ってもいいって言ってくれるけど、ママはちょっと難しい。猫はあんまり好きじゃないって言ってた。でも、魔女ってだいたい黒猫飼ってるよね？

　次の朝、ガレージに行ってみた。まだ仔猫はいた。ぼくが触るとにゃあにゃあ鳴いてスポイトからミルクをちょっと飲んだ。こんなんじゃ足りない。でも、学校に行かなきゃ。帰ってまたミルクをあげよう。