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「今日は、新入生歓迎会です」
担任が言う。そう、今日は待ちに待った、新歓イベントであるっ!!しかし、ここで一つ問題が。
転校生が来ていない!!!!!!
王道学園の他のキャスティングはバッチリなのに、肝心の主人公がいないのだ。もうこれは、他の奴らのイチャイチャを見るしかないっ!
って、思っていたんだけど、今年の新歓、鬼ごっこじゃなかった…。なんか、鬼ごっこは去年やったから、今年は違うことをしようってなって、立食パーティーになった。やだよぉー!立食パーティーで、どうやって萌えを見つければ良いのだろうか!?
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パーティー会場に着いたのは良いが、またしても生徒会役員が遠すぎて見えない!!
遠すぎて顔は分からないが、声はマイクを通しているため聞こえる。今は生徒会の役員達が挨拶をしているらしい。
『新入生!入学式にも言ったが、改めて入学おめでとう。このパーティーは、生徒会が用意したんだ、全力で楽しめよ』
「「「「キャアアアアアアアアアア!!!!!」」」」
……さっきのは、会長かな?顔が見えないから、誰なのか全く分からん!!でも、口調が若干俺様だったし、やっぱ会長だよね!?
庶務らしき二人が会長(?)の後ろで生徒達に手を振っているから、マッチョ達が雄叫びをあげている。
俺は今まで父さんの会社の関係でパーティーとかには行ったことがあるけど、こんなに騒がしいのは初めてだ。しかし、これもこれで、新鮮で良いかもしれない。
俺はタキシードを着ているが、自分の可愛さに自信のあるチワワちゃん達の中には、ドレスを着ている奴もいる。女の子にしか見えないってぐらいの完成度の高さが恐ろしい。
しかし!!俺は腐男子。男の娘、南君と爽やかイケメン高波君のツーショットで萌えを補給するのだ。わぁ!見て!高波君が南君の口についたローストビーフのソースを指で拭った!!高波君、そのまま自分のお口にGoだよ、Go!!あの二人はもうカップルだ。うん、そうにちがいない。
俺がそうやって、ちょこちょこ萌えを補給していると、奏汰先輩を発見した。流石、奏汰先輩だ!物凄い人数の生徒が奏汰先輩を取り囲んでいる。イケメンはすげぇな…。でもなんか、モヤモヤする。奏汰先輩が他の人達に笑いかけたりする度に、俺以外の人に笑いかけないで欲しいと思ったり…。なんか、今日の俺は変だ。二人っきりでない時に会うのは初めてだからなのかな…。
すると、俺の隣にいた宏太が「なんか、生徒会役員は、時間交代でパーティーに出るみたいだね。今は副会長か…。でもやっぱり、副会長には親衛隊で近づけないね」と言った。
「えっ?副会長?誰だれ?どこどこ?」
俺が聞くと、宏太が真琴知らなかったの?という顔で俺を見てくる。
「ほら、あの髪の長い、取り囲まれてる人」
宏太が指をさす。宏太が指さした先には……。
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