付き合うことになりまして…

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付き合うことになりまして…

あの告白(?)の後に、俺の傍に居たがる奏汰先輩を無理矢理引き剥がし、パーティー会場へと戻った。奏汰先輩はあれでも副会長だから会場にいないといけないし、俺達が一緒にいるところを誰かに見られでもしたら、俺の命はない。俺は長生きしたいのだ。 会場へ戻って、萌えを補給しながら、宏太と一緒にお腹いっぱいになるまでパーティーの食事を食べた後、生徒会役員の言葉で閉会した。このパーティーでの料理は、生徒会役員達の家のシェフを連れてきて作らせたらしいので、めっちゃ美味しかった。生徒会の役員達は、この学園に通う金持ちの中でもトップクラスだからな。雇っているシェフも一級品だろう。 パーティーが終わったので、宏太と一緒に部屋に帰った。奏汰先輩は、これから生徒会での集まりがあるのだそう。会場に戻る時に言っていた。 そういえばあの時奏汰先輩、敬語じゃなくなってたんだよな。俺が泣いているのかと思って焦ったのかなぁ。もしそうだったら、嬉しいかもしれない…。なんてことを考えながら寮へとつづく道を歩いた。 部屋に帰って風呂に入り、ベッドでごろごろしていると、明日香姉達からの通知が沢山来ていてびびった。まあ、メールの内容なんて分かっているがな。俺は、あの腐女子達から学園での生活……すなわち生BLを毎日報告するように言われているのだ。俺が明日香姉にメールで報告して、明日香姉が母さん達に口頭でシェアする制度になっている。今日は色々あったので、報告するのを忘れていた。 『ごめん、今日は色々あって報告するの忘れてた。』 ピロリンッ 『いいのよ。それよりっ!‘色々’って何よ!?早く教えなさい!!』 速っ!?明日香姉達、返信が速過ぎるだろ…。どんだけBLに飢えてんだよ…。っていうか、奏汰先輩と付き合うことになったっていうこと、報告した方が良いよな…。なんて言えば良いの!?「彼氏が出来たよ!」とか?いやいやいや、恥ずい恥ずい。何て言うのか…家族に報告するのって、こんなに気恥ずかしいものなのか!? いや、違うな…。うちの家族が腐っているからか。例えば俺が一言、「彼氏が出来た」と言えば、根掘り葉掘り問いただしてくるだろう。あの姉達は、俺をこの学園へと送り出す際、「イケメン彼氏を連れてきてね!!」と言ってきたのだ。萌えのためには、弟の貞操をも犠牲にしようとしていたんだ。セ○クスはしたのかとか、どうだったのかとか、絶対聞いてくるに決まっている!!弟としてではなく、萌えの補給対象として。 ピロリンッ 俺が一人でどうしようかと考え込んでいると、明日香姉からまた、メッセージがきた。 『どうしたの?急に返信してこなくなって…。もしかして、私に報告しようか迷っていることでもあるの!?』 こ、この姉は、なんでこんなに鋭いんだ!?
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