いざ、出陣!!

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いざ、出陣!!

俺は成宮真琴(なるみやまこと)、15歳。今日から海崎山学園高等部一年生になる。そう、今日は海崎山学園の入学式なのだ。 海崎山学園は、幼稚舎から大学部までの一貫校のマンモス校で、中等部からは全寮制だ。中等部と高等部、大学部は、郊外の山奥にあり、夏休み等の長期休暇以外実家に帰ったり出来ない、とても閉鎖的な学園である。学園は、学費がバカみたいに高いので、お金持ちの子供が数多く通っている。その為、親達は防犯システムが物凄く優れていて、誘拐の可能性が極めて低い、海崎山学園に子供を入れているのである。しかし、それ自体が大きな間違いだ。 言うのが遅れたが、海崎山学園は男子校だ。男子校なので、当然ながら女子が全くいない。中等部と高等部、大学部にいたっては、極端に言えば、山奥の学園にずっと閉じ込められているわけだ。男子しかいない学園内に。中学生や高校生の男子といったら、一番性欲が有り余っている時期だろう。そんな思春期真っ只中で、周りに男しかいなかったらもうこれは、必然的にホモが増える。そう、この海崎山学園の生徒達は、性欲や恋愛のドキドキを同性にぶつけるのである。そんな環境のおかげで、ゲイやバイが生徒の九割近くを占めるという、日本の少子高齢化を促進させる現象が起きている。この学園には、大企業の御曹司等もわんさか存在する。跡継ぎを残さないといけない奴らがホモになるのだ。この学園に子供を通わせるということは、親にとって確実に選択ミスだろう。 大体の奴らは幼稚園児の頃からこの学園に通っているが、俺は高等部からの編入だ。 俺の家は、そこそこ大きい企業だ。社長は父の一郎なのだが、俺の家庭はかかあ天下で女性陣が男性陣よりも圧倒的に強い。父さんなんか、会社では部下にも厳しく指導していて、周りの人達から敏腕だ敏腕だとか言われているのに、一歩家に入ると、母さんの尻に敷かれている頼りない父親と化すのだ。しかも、父さんは母さんを溺愛している上に、Mっ気があるため、不満を持っているどころかSっ気が強い母さんに喜んでいるのだから、救いようがない。 あと、俺には姉と妹がいる。姉の明日香は現在大学二年生で、妹の咲来は中学三年生である。ちなみに、二人共美形だ。父さんと母さんも美形だ。なのに、俺だけ平凡顔なのだ。幼い頃、自分は二人の子供ではないのかと疑って母さんを泣かせてしまったことがある。母さんは必死に俺は自分達の子供だと説明してくれた。母さん曰く、母さん方の俺の亡くなった祖父が平凡顔だったらしい。だから、真琴はちゃんと私達の血を分けた大切な子供なのよ。って言われた。 あんなに必死に泣いている母さんは見たことがなかった。いつもは物凄く楽観的で気の強い人が、自分の子供に本当にあなたの子なのかと疑われることが、それほどまでにショックを受けるだなんて、思いもしなかった。だから俺は、それから誰かにどう言われても、『俺はちゃんと成宮家の子だ』と確信を持って言うことが出来るようになった。 少し話がズレたが、俺が言いたかったのは、『成宮家は、女性陣の権力がとてつもなく強い』ということである。うちの女性陣は腐女子なのだ。 ……まあ、俺もその影響で腐ってはいるが。 俺は腐男子だ!しかし、ホモなわけではない!俺は腐女子の母さん、明日香姉、咲来に強制的にホモの巣窟、海崎山学園に編入させられたのだ。 勿論、抵抗はした。ちゃんと、嫌だとも言った。俺は腐男子だが、腐男子である前に健全なる男でもあるのだ。可愛い彼女欲しい。 しかし、俺があの女性陣に勝てるわけもなく、父さんも母さんに逆らえずで、俺は海崎山学園に編入することになったのだった。 俺が家を出発する時、母さん達がなんて言ったと思う?「イケメン彼氏を連れて来てね!!」だよ!?俺をホモにするなー!
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