救いの手

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 何故親友が命を落とさなければならなかったのか。  中学生活なんてあと少しだというのに、どうしてこんなことになったのか。  同じ元吹奏楽部で親友のクラスメイトだった知人から聞いた話によれば、いじめていたのはクラスメイトの極一部の人でその面々は教室の離れている私のクラスでも有名な問題児らだった。  最も最悪だったことは、担任ですら味方になってもらえなかったどころか、居ないものとして扱われていたらしい。  教えてくれた彼女も怖くて口出しできなかったという。  見棄ててしまった。  きちんと向き合えなかった。  たった一人の親友を救えなかった。  無力だった。  どうしてあんなことを言ってしまったのだろう、と。
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