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「ちょっと何言ってるかわかんないんだけども」
「魔術師協会ク「あばばばばば」
嘘だ。
絶対嘘だ!!
「い、いいのかよ?俺をクビにして、いいのかよ?」
冷や汗が背中を伝う。それがより、現実感を増す。
「正直お前を手放すのは惜しい。協会始まって以来の天才、『金獅子の魔術師』と言われ魔族からも恐れられるお前を手放すのは、実に惜しい」
「ならっ、」
「しかしなぁ。強すぎる力は人を傲慢にし、傲りは思わぬ敗北をもたらす。いかにお前が規格外の強さを持っていても、性格がクズなやつには何も成せん」
ザルサスの表情は、哀れみと愛情が半分半分で、このおっさんはまたロクでもない事を考えているなと思った。
「わしはな、お前の育ての親として…魔術の師匠として多分に甘やかして育ててしまったと後悔しておる。お前が闇賭博に手を出しても、如何わしいお店に通うようになっても、それでも可愛がってきたつもりじゃ」
ザルサスが俺の過去を暴露すると、黙って聞いていた魔術師達は、ザルサスには同情の眼を、俺にはゴミを見る眼を向けてくる。
「しかしこんな、まさかこんなにもアホに育つとは……」
「わ、わかった!!素行が悪いってんなら明日からは直すよ、明日から遅刻しないし、明日からちゃんと力加減するから!!」
明日やろうはバカやろうとも言うけど、まあいいや。
「もうお前の言い訳は聞き飽きたわい。お前の根性を叩き直すために、魔術師養成機関へ行ってもらうことにした」
「は?」
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