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「そんなものは作戦でもなんでもない!これが実践なら、お前らはすでに死んでるんだぞ!」
バリスが先輩方へ一喝する。その声は、闘技場全体に響き、しかも校舎の窓ガラスをビリビリ言わせた。
「まず実力差を理解しろ。先輩後輩、そんなものは関係ない!お前ら3年が、何度も実践を経験しているこいつら2年のグループに優っていることなどひとつもない!実際の戦闘で、仲間に金獅子や他の特級魔術師がいるなんて、そんな幸運はゼロに等しいんだ。だったらこのグループは、レオを前線に出して学ぶか、後方にして指示を仰ぐかする方が余程良い!それなのにお前らは、後方で何をしていた?ただ突っ立って眺めているだけで、何かを会得できるのなら誰も苦労なんてしない!!」
シーンと、闘技場全体が静まり返る。誰も、何も言えないどころか、息をするのも躊躇われる雰囲気だった。
久しぶりにバリスがガチギレしているのを見た。普段から勢いだけは強いが、こうして教育者として、上司として、ちゃんと叱るし、言っていることも間違っていない。
俺にはこういう威厳とかないから、だから今回もあの先輩方を何とかするのは諦めたのだった。バリスに任せようと思って。
「そうだそうだ!ほれみろ、俺は言ったよな?本当にこれでいいと思ってんのか?って!怒られてやんの、バーカバーカ!」
「一番の問題はお前だろうがッ!!!!」
耳元で叫ばれて、キーンと、目まで痛くなるような耳鳴りがした。
「お前は!仮にも!特級魔術師だろうがッ!」
ゴツン、ガツン、と言葉に合わせてゲンコツが落ちてくる。俺は耐えられなくて、ヒッ、とか、ホッとか言いながら縮こまる。
「後続を導くのも!オレたちの!仕事だと!何度言えばわかるんだ!?」
「やめろよ!!身長が縮んだら訴えるぞ!!」
ただでさえあんまり伸びてないのに。悲しいかな、学院に入学して1年経っても、俺の身長の伸びは芳しくない。同じ年頃の男子の平均を超えたこともない。
とまあ、そんなことより、だ。
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