第30話 板挟み

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「違う……レオの思い出の場所に行ってみたい。お前が、歴代最強の魔術師と言われるお前の見てきた景色が見たいんだ」  ふむ、なるほど。  なんとなくその気持ちがわかった。寝たきりだったオーレリアンに、俺は自分の行ってきた場所やそこで見たもの、戦った何か、知り合った人のことを話してきた。  動けるようになって自分も見たくなったのだろう、と。 「いいぜ。どこがいい?思い出って言っても、俺もいろんなところに行ってきたからな……」  するとオーレリアンは言った。 「とりあえず、景色のキレイなところなら、どこでもいい」 「……わかった」  それでいくつか思いついたが、そこでふと、打ってつけの場所があることを思い出した。  嫌な顔をするかもしれないが、俺にとっては忘れられないその場所へ、オーレリアンを連れて〈転移〉で向かうことにした。
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