第1話 クビになった

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「うぐっ、よくもやってくれたなクソジジィ!!」 「さすがレオ、よう耐えよったな」  悪びれもせず、ザルサスは嫌な笑みを浮かべた。 「知っているとは思うが、お前の力は一時的に押さえ込んだ。もし無理に魔力を使用すれば、お前の全身に痣が浮かび、徐々に死に至るであろう」  鬼畜!悪魔!と、叫びたいけれどショックで言えなかった。  俺の、魔力が……グスン。  涙目の俺が顔を上げると、  クスクス、クスクスと、会議室の魔術師達が笑い声を上げている。 「身から出たサビって知ってるか、レオ?」  中でも嬉しそうにニヤニヤしてんのは、他でもないバリスだ。  いつも何かと突っかかってくるバリスだが、今回は本当に許さねぇ。 「おいおい、お前今魔術構築しようとしたろ?確かに、元々のお前の力なら、この会議室ごと吹っ飛ばす事も出来ただろうが……」  バリスがなんか言っているが、それどころじゃない。 「ガハッ、オェ、クソがっ」  魔力を体内で練ると、心臓が痛い。息が詰まるような苦しさが押し寄せ、俺の身体を壊そうとする。 「ザマァねえなあ、おい」  とか言って笑うバリスを捻り潰したいが、あまりの苦痛に指一本動かすことができなくて、俺はそのまま、床の上で気絶した。  ただ、最後に辛うじて言いたいことは言えた。 「俺を笑った奴……全員顔憶えた…から、な」
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