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「うぐっ、よくもやってくれたなクソジジィ!!」
「さすがレオ、よう耐えよったな」
悪びれもせず、ザルサスは嫌な笑みを浮かべた。
「知っているとは思うが、お前の力は一時的に押さえ込んだ。もし無理に魔力を使用すれば、お前の全身に痣が浮かび、徐々に死に至るであろう」
鬼畜!悪魔!と、叫びたいけれどショックで言えなかった。
俺の、魔力が……グスン。
涙目の俺が顔を上げると、
クスクス、クスクスと、会議室の魔術師達が笑い声を上げている。
「身から出たサビって知ってるか、レオ?」
中でも嬉しそうにニヤニヤしてんのは、他でもないバリスだ。
いつも何かと突っかかってくるバリスだが、今回は本当に許さねぇ。
「おいおい、お前今魔術構築しようとしたろ?確かに、元々のお前の力なら、この会議室ごと吹っ飛ばす事も出来ただろうが……」
バリスがなんか言っているが、それどころじゃない。
「ガハッ、オェ、クソがっ」
魔力を体内で練ると、心臓が痛い。息が詰まるような苦しさが押し寄せ、俺の身体を壊そうとする。
「ザマァねえなあ、おい」
とか言って笑うバリスを捻り潰したいが、あまりの苦痛に指一本動かすことができなくて、俺はそのまま、床の上で気絶した。
ただ、最後に辛うじて言いたいことは言えた。
「俺を笑った奴……全員顔憶えた…から、な」
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