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もうやめてくれと、ドラゴンが動く前に、檻の中で震えていた女性が動いた。
恐怖に歪んでいた顔は、般若の如く変貌している。
「最っ底!!信じらんない!!こんな時に、よくも傷を抉るみたいなことが言えるわね!?協会に文句言ってやるから!!!!」
フンッ、とそっぽを向く女性に、しかしレオは悪びれずに言う。
「黙れブス」
ニヤニヤ笑い、レオは女性に暴言を吐き、女性は鬼のように言い返す。
それは協会の魔術師が、応援に来るまで続いた。
ドラゴンはもはや、頭が真っ白でなにも考えられない。頭は真っ白だが、お先は真っ暗だった。
今度こそ本当にヤバい。
ドラゴンは、盛大なため息とともに満点の星空を見上げた。
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