第0話 『金獅子の魔術師』

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 もうやめてくれと、ドラゴンが動く前に、檻の中で震えていた女性が動いた。  恐怖に歪んでいた顔は、般若の如く変貌している。 「最っ底!!信じらんない!!こんな時に、よくも傷を抉るみたいなことが言えるわね!?協会に文句言ってやるから!!!!」  フンッ、とそっぽを向く女性に、しかしレオは悪びれずに言う。 「黙れブス」  ニヤニヤ笑い、レオは女性に暴言を吐き、女性は鬼のように言い返す。  それは協会の魔術師が、応援に来るまで続いた。  ドラゴンはもはや、頭が真っ白でなにも考えられない。頭は真っ白だが、お先は真っ暗だった。  今度こそ本当にヤバい。  ドラゴンは、盛大なため息とともに満点の星空を見上げた。
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