いちたの、とうじょうじんぶつしょうかい

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にがいコーヒーになまクリームをこれでもかといれているひとをみつけた。 かおはこわいんだけど、おさけも、あまいものもすきなひと。そのひとはね、 「ゆげさん、めっけ!」 「みつかっちまったか」 「うん。いちたにはすぐわかったよ。ゆげさん、いちたね、みんなにインタビューしているんだ。ゆげさん、インタビューしてもいい?」 「おぅ」 「おまえは?」 「弓削だ」 「ぼくがききたいのは、したのおなまえ。おんなのこみたいななまえだから、なかなかおしえないんだって、ゆずはらさんからきいたよ」 「あ?柚原てめぇーあとで覚えておけよ」 ゆげさんがしろいかみに【ゆげ るい】っておっきくかいてくれた。 「漢字表記は【弓削瑠衣】だ。ガキのころ、女みたいな名前だって散々からかわれたから、自分の名前なのに今だ好きになれない」 「るいちゃん、かぁいい」 「そっか。可愛いか?」 「うん!」 「一太にそう言ってもらえると何だか嬉しいな」 おっきなてであたまをなでなでしてくれた。 「るいちゃんのおしごとはパパのおてつだい?」 「るいちゃん?弓削でいいよ一太。恥ずかしいだろう。あぁそうだ。尊敬するオヤジの補佐である若頭だ。菱沼組で2番目に偉いんだぞ」 「るいちゃんがんばってる。いちたよ~~くしってるよ」 「ありがとうな一太」 なくことでもないのに。 るいちゃんほんとにおもしろい。 「ヤクザは縦社会だ。次は根岸にインタビューしたほうがいいぞ」 「うん。るいちゃん、インタビューありがとうね」 コーヒーがさめたらおいしくないから。 ぴょんといすからとびおりるとねぎしさんをさがしにでかけた。
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