62人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
オーキッドが家出少女を優しく抱きしめた。
「もう大丈夫よ」
「ありがとうございます。あなた方は?」
気丈にも家出少女は、強い意志で涙を堪えていた。
アネモネに大泣きってバカにされる俺とは大違いだ。
「FLORASよ」
「でも、ローズを失ってしまったから、一文字欠けたまま」
「FLORAS? ……姉を知りませんか?」
少女がスマホで画像を見せた。
「……あなた、ローズの妹?」
「姉が消えて探しに来たんです」
「ローズはきっと生きてるわ」
「リリィ、この子をメンバーにしたら? レインより肝が据わってる」
リリィが頷く。
「私はフリージア」
「リリアーナ。リリィで良いわ」
「わたし、オーキッド」
「あたしがアネモネ」
「うち、スカーレット。宜しくね」
フリージアはイヤホン越しの挨拶だ。
「リリィ達はローズの友達よ。全員の頭文字でFLORAS。
あなたは、小さいローズ……ロゼッタでどうかしら?」
「で、あいつが、君をここに連れてきちゃったレン。すぐに泣くから、泣き虫レイン」
「酷いや、アネモネ。花の成長に水が必要ならば、人の成長には涙が必要なんだよ」
「何、名言風に言ってんのよ、バカ!」
6輪の笑顔が咲き、今夜も腹パンで終了なり。
最初のコメントを投稿しよう!