08.ロゼッタ

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オーキッドが家出少女を優しく抱きしめた。 「もう大丈夫よ」 「ありがとうございます。あなた方は?」 気丈にも家出少女は、強い意志で涙を堪えていた。 アネモネに大泣(レイ)()ってバカにされる俺とは大違いだ。 「FLORASよ」 「でも、ローズを失ってしまったから、一文字欠けたまま」 「FLORAS? ……姉を知りませんか?」 少女がスマホで画像を見せた。 「……あなた、ローズの妹?」 「姉が消えて探しに来たんです」 「ローズはきっと生きてるわ」 「リリィ、この子をメンバーにしたら? レインより肝が据わってる」 リリィが頷く。 「私はフリージア」 「リリアーナ。リリィで良いわ」 「わたし、オーキッド」 「あたしがアネモネ」 「うち、スカーレット。宜しくね」 フリージアはイヤホン越しの挨拶だ。 「リリィ達はローズ(お姉さん)の友達よ。全員の頭文字でFLORAS。 あなたは、小さいローズ……ロゼッタでどうかしら?」 「で、あいつが、君をここに連れてきちゃったレン。すぐに泣くから、泣き虫レイン」 「酷いや、アネモネ。花の成長に水が必要ならば、人の成長には涙が必要なんだよ」 「何、名言風に言ってんのよ、バカ!」 6輪の笑顔が咲き、今夜も腹パンで終了なり。 b97d2a27-a08f-44f2-8cf8-a9e7c9d8a49f
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