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街中の防犯カメラにロックオンされてる気分になり、警戒を強めた。
警棒を構え、臨戦態勢の制服警官が視界に入った。
ノーマスクで通行人に声をかけまくっているキャッチの男に詰め寄っている。
キャッチのお陰で、遭遇を免れたぼくは路地裏へ逃げる。
自宅への強制送還だけは何としても避けなければいけない。
コロナ休みの今しかないのだから。
「君さぁ、家出でしょ?」
背後から声をかけられ、上半身がビクンと反応した。
咄嗟にフーディーのポケットに手を入れ、催涙スプレーを握る。
「だったら……何?」
「神待ちしてても、来ないと想うよ」
ゆっくりと振り向くと、マスク着用でスーツのお兄さんが立っていた。
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