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謎
どれだけ時間が過ぎたのだろう
気がついた薫が見たものは
自分を覗き込む ナースの姿だった
薫「・・・ここは」
ナース「大丈夫ですよ ここは病院です」
その様子を見ていた刑事 滝村が駆け寄って来た
滝村「気がついたか!」
ナース「先生に報告して来ます!」
今まで船内にいたはずの自分が病院にいる
すべての事が理解不能な中
安静を促されている事だけは解る
薫は一晩 病院で過ごす事になっていた
ー次の日ー
病室には 刑事の滝村が来ていた
滝村「・・・そうか そんな事が」
薫「俺ともう1人しか生きていなかったってどういう事です!」
滝村「じつはですね・・・ あのぼろ船は出航記録も無く いつからあんな物が海に浮かんでいたのか誰も解らないんだ
不信に思った客船の船員から連絡が入って我々が捜査した
船の中を捜査中 惨殺された死体が8体出て来たって話だ そのどれもこれも身元はジャーナリストだった・・・」
薫「今 ぼろ船って言いましたよね?」
滝村「ああ・・・ それも奇妙な話なんですがね
あなたの言ってる事も港の人の言ってた事も疑っているわけでもないが
あんな船が港を出て行けるわけもないし あなたの言うような船内放送や快適な船内が存在するはずもない
なんで あんなところに人がいたのかも理解出来ん状況だ
それと 船内にあったペットボトル・・・
商品番号を調べたら 先月に宗教団体の紅華道の山井が購入した物に間違いが無い
しかしながら そんな教団はもう存在していないし あの船の中にあったのも不可解なんです」
薫「その・・・我々ジャーナリストの暴露記事によって世間から追いやられ
自殺したはずの山井と柴山・・・
モニターに映っていたのを見たんです」
夕暮れ時の病室
もう1人の生存者であるジャーナリストが入って来た
滝村「どうもどうも! あなたも安静にしていて下さいよ」
この件についてしばらく刑事と話すことになりそうだ
ーー
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