手紙

まだ結婚するには若すぎる。
嫁じゃなきゃ、婿じゃなきゃダメ

両家の両親のこの言葉で反対されていた
あなたとの未来

ただ、あなたのそばにいたい。
ギリギリの精神状態の私にもう、この事故を乗り越える気力は残っていなかった。
神々の宿る修験の山。
数々の若い命を飲み込んだ事故の難所。
その中で廃車レベルの車なのに怪我ひとつしなかった私。

なにか、強い力に護られ、彼とは別れなさい。

そう、目に見えない何かの無言のメッセージにしか感じなかった。

私を死なせてもくれなかった。