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第179話 命の誕生⑦
心希side
-球団の寮.管理人室-
「ありがとう! 郁実さん! いつもゴメンね!」
俺の為にさ、コーヒー淹れてくれてんだよね? 作り終えたそれを俺の目の前に置きながら
「ゴメンは無し! って言ったろ? 《メッセンジャー郁実》は若い恋人達に、協力する事が出来て嬉しいんだから!」
「《メッセンジャー郁実》ってアハハ!」
けど、本当に郁実さんには感謝しかないんだよ? 慣れない一人暮らしとか、今回の事とかさ
辛い時に……
「この寮に管理人の郁実さんが居てくれて俺凄い助かってる。じゃなかったら俺今頃…… それに、リョウ迄チャッカリ郁実さんとさ……」
「それは坂戸多くんと神高くん、えっと…… ゆなちゃん、風花ちゃんの頑張りがね、私と球団動かしたんだよ」
「あれ? 彼女達の名前つっかえなかったね?」
「さっき神高くんと…… 今さっき聞いたばっかで…… サスガにマズイでしょそれは(笑)」
「そりゃそうだ(笑)」
郁実さんは急に真顔になると
「いや、真面目な話するとね。球団が、坂戸多くん達が、雑誌者に狙われた時にさ、彼女達を守ろうとしたでしょ。既に、嗅ぎつけてパパラッチしようとしてた尾行車を、危険分子の媒体等を…… とことん排除してるのを見た時に…… 『色々面倒みてやってくれ』って頼まれた時に、仕事としてで無く、どんなに凄い選手なんだろう? って思って興味がね」
「ありがとう郁実さん。リョウも同じ事。『大人ってのは』って、斜めに見てたのに『こんなにも、自分達の事思ってくれる人達もいるんだ』って。彼女達もさ『大人なんて嫌い』って思ってたのに『信じてくれる人達がいる』だけで…… 『こんな幸せが来るなんて思わなかった』って」
「そうか坂戸多くん、神高くんも、ゆなちゃんも、風花ちゃんも頑張って来たんだもんね? 寮長はいるけれど、それはあくまで選手だからね。シーズン中にさ、色々言われるの可哀想だし。始め、メッセンジャーをしていた彼に、私がやるよって。私は私として、君達を好きになったからこうして"片棒"担いでるんだよ」
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