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第181話 命の誕生⑨
リョウside-喫茶店-
(あ! 戻って来た)
「ゴメン神高くん遅くなって」
「本当ですよ。忘れられたかと思いましたよ! 全く何分待たすんスか?」
「悪かったよ! このハゲあがった頭叩かせてあげるから許してよ」
って、そう言ってよ? 本気で禿げ上がった頭をさ、俺の目の前に突き出されても困るんだけなんスけど……
「イタっ!」
「何よ! 自分が叩けって言ったんじゃん!」
「言ったけど…… それ叩いたとは」
あぁ坂戸さんに『武器!』と言われたデコピンですからね(笑)
けど手加減をしたんですけどね?
軽くピン! って
「イイじゃん! 何か頼めば? 店員さん、めっちゃこっち見てるんだけど?」
「あぁ、すみませーん! ホット下さい! あ! 二つで!」
注文中に、ジェスチャーで、人指し指で自分を指して、それから数字で2を示して、郁実さんに合図を送ってやる
「全く…… 神高くんは大人をからかうモンじゃないよ! 話が進まないだろ! ハイこれ坂戸くんから……」
「ありがとう」
確かに…… 話が進まないや
ホントにさ、ある意味俺達のお遊びに付き合ってくれる郁実さん。俺の癖。と言うか、楽しみで、からかっちゃって遊んでるけどさ……
本当に郁実さんには感謝してんだよ?
メッセージとかさ、録音した本人が、宅配で直に送ればいいだけの話なのにさ。他の郵便物とかはさすがに違うけど……
声の手紙だけは……坂戸 さんにメッセージを送りしたい人は俺に送ってくるの。それを俺は今みたいに郁実さんに預けて……
返事は、坂戸さんが都合付く時、急がしい時は数日後とかになるし……
坂戸さんから郁実さん。そして俺から相手へ
最初の頃は、皆、坂戸さんが心配で、坂戸さんは、特にゆなちゃんが心配で
頻繁にメッセージ預かってたんだけど、皆、遠慮の塊で、気遣い屋の人達ばっかですからね?
俺が大変だって。俺の事を心配してくれてさ。10日に1度の頻度で、皆、同じ時にまとめて俺にメッセージを送ってくるようになってさ……
俺が宅配に坂戸さんのメッセージを、皆に送る時の代金をさ
坂戸さんメッセージと一緒に寄越してさ
『自分の分もあるから一緒でいいよ』
って言ったのに
『けじめだから』
って……
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