22人が本棚に入れています
本棚に追加
/234ページ
第24話 センパイの声
風花side
(私……風花? 紗菜?)
頭がクラクラするよ
『ふうちゃん大丈夫?』
ゆなちゃん……
英斗さん、私をカウンセラー室のベットに横にしてくれて、枕元で髪を撫でてくれながら話てくれたの。ゆなちゃんはずっと右手を握っていて
『ゆなちゃん大丈夫か? 横になるか?』
『大丈夫……です』
英斗side
(ゆなちゃん…… ふうちゃんのために一言も聞き漏らさらないよう頑張ってるんだよね。自分だって辛いのに)
『……今は状態は安定しているんだ。ふうちゃんのおかげだよ。13年前からずっと状態は一進一退でさ。5年前から変わったんだよ。ふうちゃんが来るようになってから。今では通信講座で自宅でできる仕事を主に取っているんだ。『治ったら仕事しなくちゃならないからね! って』
『……紗菜さんのため?』
『うう……』
ふうちゃんが嗚咽を洩らした
『違うよ……ね?』
ゆなちゃん…… ふうちゃんには『大丈夫よ』というように見つめ
オイラにはすがるように揺れる瞳を向けて……
風花side
(違うよね?)
聞くのが恐い……
『 《大丈夫!》』
(神高センパイ?)
『大丈夫』
って
神高センパイの声がしたの
スっと気持ちが落ちついたの……
最初のコメントを投稿しよう!