第30話 ナン…でだよ?2

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第30話 ナン…でだよ?2

 「はぁ〰い……」  声もみっともないくらい裏返っちゃって……扉が開いてゆなちゃん……だった  「失礼します」  ゆなちゃんは、一礼して部屋に入ってくると  ゆな「神高センパイ……あの……あの」  可哀想なくらいに緊張しててさ……  なのに俺は……  こんな時でも人をからかっちゃうって言うか ……  素直じゃないって言うか……  人に弱みを見せたくないって言うか……  「こんにちは。ゆなちゃん。ここから野球部の練習見えるんだけどさ、さっき坂戸さんと話してたね?」  ゆなちゃん、解かりやすくほっぺた紅く染めちゃって  ゴメン……ゆなちゃん……  ゆなちゃんは、俺から逃げるようにふうちゃんの所へ行くと  「ふうちゃん?」  話し掛けたんだけど……  ふうちゃん眼に光が……一瞬……  でもさ  また、また……さ……  「ふうちゃん? ぇ? 私?」 (何? なん? だ……これ?)  ふうちゃんは  「ふうちゃんって誰? 私?」  って感じでさ…… (ナン……でだよ?)  俺、ふうちゃんが……可哀想で  神様……俺がふうちゃん救えますか?   『神様は居ないよ!』  って言って来た……  でもね人が神仏にすがる想い……が痛いほど分かったんだ……  ふうちゃん、ね?   俺が全部受け止めるから  話して……ね、ふうちゃん……
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