22人が本棚に入れています
本棚に追加
/234ページ
第31話 センパイ聞いてくれますか?
リョウside
何を言えば正解?
でも……俺にはこの言葉しか浮かんで来なくて
「大丈夫だよ。ふうちゃんはふうちゃんのままで良いよ」
心配そうに、ふうちゃんの両手を握っていたゆなちゃんの瞳から大粒の涙が溢れて、風花ちゃんはピクってして、やっぱり大粒の綺麗な瞳から大粒の涙が……
左目から一筋の煌めく雫が流れ落ちたんだ……
「風花? 私は咲良風花?」
「そう貴女は風花ちゃん……」
「ふうちゃん……お疲れさま……」
ゆなちゃん……坂戸さん、貴方の大事な女の子は
凄く良い子ですね……
ふうちゃん、眼鏡外してハンカチーフで涙拭って、鼻をスンと鳴らすと眼鏡を見つめてから、ありゃ、鞄にしまっちゃったよ
ふうちゃんは、大粒の涙……涙しているのに不謹慎だけど、綺麗だって思っちゃったんだよね。いつも以上に美しく輝く瞳を閉じてからゆっくりと開くと……
(え、ぁ……)
目の前の俺を初めてって位しっかりと見てくれて……
綺麗、可愛い……目が離せないよ
俺顔は熱っいし。真っ赤なの分かっちゃう……
「コホン」
ゆなちゃんの咳払いに
(!)
今日何回俺……心揺さぶられギユってなってんの?
ふうちゃんもハってして
「ゆなちゃんありがとう。神高センパイ聞いてくれますか?」
あぁ……ふうちゃんだ……
最初のコメントを投稿しよう!