第39話 1で10を知るタイプ

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第39話 1で10を知るタイプ

リョウside  リビングテーブルを挟み、ふうちゃんの左隣に俺、正面に竜水さん、その右隣にゆなちゃんが座ったんだけど  俺と竜水さんが話すウチに、ゆなちゃんふう ちゃんの方に移動し足元の絨毯に座って……  その白く美しい手を握って……  「ふうちゃん何の責任も……何で? 助けてあげなかった……」 (……たぶん俺と同じ……か)  「すみません。生意気言って……つい5年前って言ったらあなたは未成年ですもんね」  英斗side (1で10を知る? ん? 悟る? タイプね。すげぇな。いろんなしがらみ大人達の思惑、面子。見抜いたんだ)  「あの。人の顔じっと見ないでくれません?」 ((笑)あ、余りに感心しすぎてガン見し過ぎちったよ)  「わりィ。イヤ〰やっと分かってくれる人が……もう気づいたでしょ? 当事者じゃなくて周りが事をややこしくした」  「ええ……」  「姫達から聞いてると思うけど、老舗ってのはね、なんだろ? 自分たちの考えだけが正しい……みたいなね。。若い二人は惹かれあった。男の家は代々男だけが継ぐ、そういう世界だという考え。女の方の家は元々女系家族的な所があって、続いていく為には女性も跡を継げるそういう考え」  「……分かります。互いの親戚達が大反対?」  「二人は負けなかった。互いにふうちゃんの父親には弟。母親には二人の姉が次女が継ぐ事で一旦は治ったんだ」  「一番上のお姉さんが竜水さんのお母さん?」  「なんで? 分かった?」  「竜水さんと、ふうちゃん8才離れてるから。竜水さんのお母さんが長女で、風花ちゃんのお母さんは末っ子で。その間に風花ちゃんのもう一人の伯母さんがいるのかなって……」  「すげぇーね! オイラの母ちゃんとすぐ下の妹が三つ。ふうちゃんの母ちゃんとは八つ。母ちゃんと、父ちゃんはそもそも話し合いから外れてた。既に母ちゃんも医者である父ちゃんと……ね……」  「成程折角一緒になったのに2年後に?」  「そう……で、その時もまたね」 (病に苦しむ人より、自分達の事優先。ホントそれで対相手を思ってね作品作りや仕事出来るの?  はっきり言って心惹かれる物作っているとは思えないよね  自己顕示欲の方が見え隠れした品ばかりでさ……  魅力感じねぇんだよ……)
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