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第9話 もう充分だよね?
ゆなside
あたし、ふうちゃんの事大好きだから、ある約束を律儀に続けてるふうちゃんが心配なの
「英斗さん?」
「どったの? ゆなちゃん?」
もういつもの穏やかな英斗さんだ
負けない。英斗さんのペースに今日はダメ!
ふうちゃんは戸惑ってる顔してる
でもね、ふうちゃんもこのままずっと……なんて、苦しんでしょ? だから、ね?
「英斗さん、もうそろそろにしませんか?」
真剣な瞳であたしを、ふうちゃんを見つめて
「そうだね」
「ゆ、ゆなちゃん? 英斗さん私……あの」
混乱してるふうちゃんの左手をにぎり
「ふうちゃんは明るいコなの。もう充分だよ。表情をなくして自分を見失いそうになってるの見てらんないの」
「でも、でも、私は……」
すがるように、涙の雫をたたえ、英斗さんを見るふうちゃん
英斗さんは、あたし達の大好きな慈愛に満ちた表情でうなずくと
「ふうちゃん、オイラの母ちゃんと、父ちゃんがもっと頼って甘えてほしいって言ってたぞ」
って
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