第1話 働く意義 

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第1話 働く意義 

リョウside  金曜日ランチの忙しい中 「榊木(さかき)さん、冷蔵庫の整理して!」  指示したけど…… 「了解!」  調理補助の榊木心斗(さかきみさと) さん。この言葉の意味を (理解してない……か……)  人それぞれ、理解力も能力も違うのは当たり前、現に今日ホール担当の佐藤さんは理解しているし(週変わりで調理補助とホール交替)  俺がさ、真意を伝えればさ良い事なの、分かってんの……そろそろ、きちんと……いつか分かるだろうで済ます問題じゃないしな  PM14:30過ぎ……賄いを作っている榊木さん  冷蔵庫の中確認 (出来ている……けど)  賄いの仕上げ(盛り付けセッティング等)を佐藤さんに任すと 「榊木さん冷蔵庫の整理ありがとう」  俺やな奴だ……榊木さんも俺の顔見つめ 「リョウ……俺さ、今更ながらに気が付いたの、親父や、前の職場でも……俺は風華(ふうか)ちゃんに……」 (ふうちゃん……間違ってないけど間違えだよ) 「ふうちゃん、賄い食べて帰りなよ」 「……いえ、ありがとうございます、御免なさいお気持ちだけ……15:00には……」 「……そっか……でも、少し時間いい?」 「……はい」  佐藤さん、丹部(たんべ)さん二人で賄いを……悪いけど……榊木さん、ふうちゃんに事務室兼ロッカールームに来てもらうと 「ふうちゃん、さっきはありがとうリョウ……シェフに『ありがとう』って言われたんだ、当たりだった、俺が気付いてすべき事なのにさ助かったよ」 (先越された……)  動揺を隠せず、瞳を揺らすふうちゃん……
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