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第11話 花冷えの季節 恋人達編5
「百田さん、俺の担当する由利河さんが『風ちゃんに嫌われたから仕事しねぇよ』って訳分かんない事言ってんスけど……」
「リョウも、同じ事を…… 梅川くん、 言ったでしょ? 由利河兄弟の世界は、風さん中心に世界が回ってるって」
確かに聞いたけど……
由利河瑛斗さん、画家として大成した人…… ホントはルールや、しがらみの中で作品を作るより、自由にモノ作りをしたい人。
由利河涼那さん、演出家、脚本家として才能があるのに、やはり少数精鋭のこだわった作品しか世の中に送り出していない。
その理由は、由利河風さん。
「風ちゃんが、世間の人に…… なんてあり得ないでしょ?」
「風ちゃんを守るのは、オイラ達の使命なの!」
同じく作詞作曲家として才能のある風さん。けど、その素顔を公表していない幻の天才。
つまり、己の才能より風さんを、世間から守る事に命を燃やしている人達。
「もったいないですよね? せっかくの才能……」
「まあね。けど、始まりがちょっと強引だったらしくて、翌日からしばらく口聞いてくんなかった…… って言ってたから…… ね?」
「詳しいスね?」
「何? 妬いてんの?」
「は? 何言ってんスか? 妬いてねぇし!」
「俺は妬いてるよ? それに聞きたくなくても、俺の幼馴染みのリョウが、ペラペラと教えてくれるんだよ…… そんな事より、俺は倫と……」
俺に、kissしてきた心都さん……
仕事の関係で、由利河家に出入りする中、知り合った人……
「これから宜しくね。倫」
類友…… 自身も強引な心都さん……けど…… その強引さが嬉しかったんだ……
「あっ……」
「可愛いな…… 倫……」
その蕾に自身を宛がって俺は、腰を進めた……
「あっ…… あぁん」
「気持ちいい? 倫……」
ストイックでちょっと真面目な倫を…… 乱れさせてみたい……
花には刺がある
それでも
甘い密に魅せられていくんだ……
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