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第18話 笑って生きて行く7
「くくく、毎日楽しいな涼那? 毎日同じ事、会話してるってさ」
「ホント。学校隣だし、遅刻もした事無い優等生なのに、どっか抜けてて」
オイラと、涼那の弟。
天使……
風ちゃんは、風ちゃんと同じ15才。高校1年生になった……
大きな決断をした、父さんと母さんには感謝しかないよね。
心都くんと、倫さんも、 あの日から 色々アドバイスをくれたり、オイラ達も二人と友達に……
イヤ…… 父さんも母さんも含めてだから、なんかもう家族って感覚なんだ。
「いんスか? のんびりしてて? 瑛斗こそ遅刻するんじゃないですか?」
「休みだもん。風ちゃんを、からかったし…… 一眠りしてくるかな? 涼那こそ大丈夫なのかよ?」
「俺も休みです。確かに風ちゃんからかったし、少し眠ろうかな……」
言ってる事がオカシイ? って?
いいの。
オイラと涼那は、風ちゃんを、こよなく 愛してるからね。
スキンシップも、毎朝の会話も欠かすなんてさ、あり得ないんだ。
両親が海外だからね、オイラ達が風ちゃんを、守んなきゃ。
13年前、風ちゃん……
『僕の心臓は、移植でしか治らないんだよ? それって誰かの未来を奪うってことだよね?』
そう言ったね?
けどね、風ちゃん? オイラは小児科医、涼那は心臓外科医になったよ。
人の為になる仕事がしたいの。
『風ちゃんは、ああ、言ったけど本当は…… もう無理が効かないって…… 助かる見込みのある人達が助ければいいな。って思って。だって風ちゃんの夢は医者になる事だったんだもん』
『そうだな。風ちゃんが一番、自分と同じ病気の人や、いろんな病気で苦しむ人を助けたいって思ってたんだもんね?』
そして、その夢を、オイラと、涼那に託したんだもんね……
その日の午後
「風ちゃん遅いですね……」
何があったの? 風ちゃん?
いつもならとっくに、学校から帰ってくる時間なのに……
オイラと、涼那は底知れぬ恐怖を感じたんだ……
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