第133話【戦争とは残酷で愚かしい行為】①

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第133話【戦争とは残酷で愚かしい行為】①

魚雷投下までの話をされた吉岡さんに、その時の気持ちを聞いた翔ちゃん。 「魚雷が当たったという事で安心した」 そう答えられた吉岡さん。 「アメリカ兵を殺してしまったという感覚は、当時は?」 翔ちゃんの問いに。 「私は『航空母艦と戦艦を沈めてこい』という命令を受けているんですね……『人を殺してこい』って事は聞いてないです。従って、命令どおりの仕事をしただけ」 問い掛けらるまで、本当にそう思われていたのかもしれない。 「人を殺してしまった」 という意識があった上で、答えをぼかしたのかもしれない。 現代の日本人の感覚では、なかなか理解出来ない 『お国のため』 『死は怖くなかった』 『命令された事を遂行する』 その事で、もちろん人が亡くなる事は理解していらして。 被害者でありながら、加害者…… 後々気が付いて、帰ってこられた方々は戦争体験の話などしたくない。 心の中傷を抱え。 身体の不調を抱えた人々。 葛藤を抱える事になった方々が。たくさんの方々が、苦しむ事になったのだろう。 (私の父方の祖父は、体調が戻らないまま20年位を過ごして旅立った) 吉岡さんは前述の。 『命令どおりの仕事をしただけ』の後。 『ですけれども、……後からはですね。それとは切り離すと、『戦争はしちゃいけない』という事をですね、一番身をもって知っているのも、私達だと思っています』 そうおっしゃられた。 平常心で、物事が考えられなくなるほど。 『戦争というものは残酷なもの』 どこか、戦争と言うものから、目を背けがちな私達に。 翔ちゃんが伝えたかった事? 『戦争では何も変わらず。愚かしい行為だと』 私は深い深い話を聞く事が出来て。 吉岡さんがお話をして下さった事。 感謝しています。 ありがとうございました。
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