No.2

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「私にはやっぱり綾子しかいないんだよねえ、怖いなあ、引っ越しが決まるの」 「大丈夫だって。縁が切れることはないから」 「それはそうだけど、東京と石川だよ? 遠いよ」  泣きそうにあたしに甘える美咲を見てあたしは勝ち誇る。  ほら見て。あたしに釣り合うのはこの子、カーストトップの美咲なんだよ。  ……ほかの誰でもない、美咲なんだよ!  そんな気持ちであたしはドヤ顔気味になるのがわかる。  皆があたしをチラチラ見てる。きっと羨ましいけど混ざれなくて悔しいんだろう。  だってみんなは美咲に釣り合わないから。  あたしの代わりになれっこないから。 「大丈夫だよ。美咲の傍にずっといたでしょ、あたし」
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