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「私にはやっぱり綾子しかいないんだよねえ、怖いなあ、引っ越しが決まるの」
「大丈夫だって。縁が切れることはないから」
「それはそうだけど、東京と石川だよ? 遠いよ」
泣きそうにあたしに甘える美咲を見てあたしは勝ち誇る。
ほら見て。あたしに釣り合うのはこの子、カーストトップの美咲なんだよ。
……ほかの誰でもない、美咲なんだよ!
そんな気持ちであたしはドヤ顔気味になるのがわかる。
皆があたしをチラチラ見てる。きっと羨ましいけど混ざれなくて悔しいんだろう。
だってみんなは美咲に釣り合わないから。
あたしの代わりになれっこないから。
「大丈夫だよ。美咲の傍にずっといたでしょ、あたし」
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