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「……うん」
「離れても、また会えるから」
「うわーん。綾子ぉ」
「よしよし」
こんな風に美咲が甘えるのは、あたしだからだよ。
ほかの誰も変われないし、引っ越したらすごい心配だ。可愛いけど、人見知りする美咲だから。あたしがいないと、何もできない美咲だから!
「そういえば、美咲テストはどうなの」
「聞かないで、いつも通りだから」
「本当、美咲は馬鹿なんだから」
「うう……自覚してますよぉーだっ」
「そんなところも可愛いんだけど、美咲は」
「綾子ぉ」
「馬鹿な子ほどかわいいってね」
「嬉しくないんだけど」
「あははっ」
膨れる美咲を見てあたしは笑う。
どんな顔も可愛いなあ、美咲は。
あたしにしか見せない表情だとは思うけれど。
この天使のような表情を独占してるなんて、なんて気分がいいのか。
つやつやな白い肌が赤く染まるのは、あたしと美咲の家族の前だけって知ってるから。
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