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美咲の引っ越しが確定したのは、それからしばらくしてだ。
「うわあああん! いやだよぉおおおお! うわああああん! 綾子ぉおおお」
「落ち着いて美咲、皆が見てる」
大泣きする美咲をかばうように抱きしめるあたし。
「怖いよぉ、引っ越しなんて……知ってる人だれもいないんだよ?」
「いつ連絡してくれてもいいから、ね? あたしがいるじゃん」
「そーだけど! 傍にいるわけじゃないもん」
「美咲……」
「綾子のいない世界なんてやだー!」
「あたしだっていやだよ」
そう答えながら。あたしは黒い気持ちを抑えきれないでいた。
この学校から、クラスから、美咲がいなくなる。
ナンバーワンが、消える。
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