No.2

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*  小さなころから、美咲の傍にいるのが当たり前で。  おいしい思いも、つらい思いもしてきた。 「また意地悪されたよ、綾子―」 「嫉妬だよ。美咲は可愛いから」 「ありがとう」 「仕方がないよ、美咲は美少女コンテストの常連だもん。目立つし」 「好きでこの顔に生まれたわけじゃないんだけど」 「もう開き直って派手にしちゃいなよ」 「ん……」  きらびやかな外見がコンプレックスだった美咲は、その日を気に髪を金色に染めた。  それが、中学校のはじめぐらい。それからだ。美咲が露骨にクラスのナンバーワンになったのは。前から、なんだかんだでカーストは上の方だったけれど。  高校二年生の今では、もう学年でも大分カーストが上だと思う。皆が汗水たらして上位カーストの取り合いをしてる中、美咲はただそこにいるだけで常にトップ3にいる感じ。
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