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それは彼の、もう実らぬ愛の叫びだった。
これほど誰かに愛され求められたことのない私はどうすればいいか分からなかった。
ただ、今すぐ彼に会って抱きつきたかった。
胸の苦しさを表すように止めどなく溢れる涙。
彼も、同じ気持ちでいてくれたなんて。
私が今気持ちを伝えても、意味はない。
現状を変えることは出来ない。
でも、それだったら彼も同じことだ。
もうどうにもならない事を承知の上で、それでも私に伝えてくれたんだ。
溢れる涙を拭わないまま、震える指先で文字を打ち、ようやく彼に返す。
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