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「時々さ、こーいう息子が欲しかったなーって思うんだよ。都築くん見てるとさ」
衣於吏さんは、また何も知らない顔をして俺の顔を前に微笑む。本当の母親は三者面談のたんびに馬鹿息子と嘆いていたが。
「……アンタだけだよ俺にそれいう奴」
マグカップを両手にもった彼女は、「そう?」と少しおどけた顔で首を傾げた。
「えー、都築くんは良い子だよー」
その時俺はイライラしていた。子ども扱いする彼女に。この人に男扱いされてる彼女の旦那に。
「……コドモいないんだっけ?」
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