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「俺って熟女専門なのかな?」
2年前に入った大学生の二階堂さんは、俺に渡されたコップを手早く拭く。
「衣於吏さんって熟してるか?」
「ビミョーなんだよなー35、6だろー」
真顔で話しているが、よく考えたら失礼な会話だ。
「雰囲気が少女なんだよなー未だ……いや問題そこじゃねぇだろ。人妻なんだよあの人」
「あぁやめろそのパワーワード! グッとやらしさが押し寄せてくる!」
濡れた手で耳を塞いだところで事実は変わらない。二階堂さんが「手を止めるな」と怒ってきた。
「しっかしよく一途に不毛な横恋慕をしてるよ。俺ムリ」
「俺だってできることならやめてーよ」
どこがどう転んで、金髪ピアスの不良気味青年がこんなのどかな個人経営カフェでバイトリーダー風なことをやってるのか。不良らしくその辺のちゃっちい女とタダれた恋愛をしてればいいのにな。
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