182人が本棚に入れています
本棚に追加
「湊馬、病院、ホントに継がなくていいのかな?医者としての腕はいいと思うし、勿論、地元に根差したクリニックにも十分大切な役割あるとは思うけど」
私はひとつ気になっていることを愛理に確認してみることにした。
「そんなこと気にしてたの?聞いてるかわからないけど、世良君、異母弟いるよね?」
「そうなの?」
「私もよくは知らないけど、なんかお父さんに愛人がずっといたらしいよ。そっちの息子がやっと医学部に受ったから、もう継がなくていいみたいなこと、酔った時に言ってたと思う」
「湊馬、家のこと、あんまり話さないから」
「凛には話しにくいでしょ?そもそもあなた達が面倒くさいことになったの、全部あの病院のせいだし」
湊馬のお父さんに病院に呼び出されて、別れるように言われた時のことを思い出してしまった。
「あのお父さん、病院理事長、クセありそうだもんね。じゃなきゃ、世良君もあんなダークサイドキャラにならなかったかもしれないけどね」
「ダークサイドキャラって。。。確かにそうだけど」
二人で顔を見あわせて笑ってしまった。愛理とだと、いろいろ楽だなって思う。何でも知ってるもんね。
「そのダークサイドが必死になって表に出てきてるんだから、そこは評価してあげなよ。あれで、結構がんばってるんだから」
「湊馬には感謝してるよ」
「そこは感謝じゃないでしょ?」
最初のコメントを投稿しよう!