188人が本棚に入れています
本棚に追加
「妹は何でも欲しがるの。特に私の周りにあるものは。」
きっと湊馬も。
だから私は何も欲しがっちゃいけないんだ。どうせ手放さなくてはならなくなるから。辛くなるのは私自身。
何かを察したらしい湊馬は何も言わなかった。その替わり、首からネックレスを外すと私に手渡してくれた。
「お守り」
それから、そのお守りを私はずっと身に着けるようになった。チャームが綺麗なデザインだった。リーフかな。チェーンはさすがにメンズでごっつかったから、女性用に付け替えて。。。。
湊馬とは別に何があったわけじゃないけど、でもこのくらいは許されるかなって。。。
でもやっぱり甘かった。
お風呂から部屋に戻ると、ネックレスがなくなっていた。
必死になって、部屋中を探した。お風呂に入るまではつけていたはず。でもあまりにも習慣になりすぎてたから、今日も本当にいつも通りトレイに置いたのだっけ?それとも本当は学校で落としたとか。でもそしたら絶対気付くはずだし。。
ほとんどパニックだった。今からじゃ、校門は閉まってる。とりあえず、明日朝一で学校に行こう。
今日はどこを通った?通学路、教室、廊下、トイレにあとそれから。私は今日一日の動線を頭の中で確認して、眠れない夜を過ごした。そして、朝いつもよりかなり早く家を出た。
何度も何度も昨日の動線をシミュレートしながら、学校、通学路を行ったり来たりしていた。でも、見つからなくて。。。。
湊馬に謝ろう。見つけることが出来なかったその翌日、私は屋上に行った。
湊馬はいつも通りそこにいた。
最初のコメントを投稿しよう!