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「これ返す」
翌日、チェーンを元に戻して湊馬にネックレスを持った手を差し出した。
「なんで?」
答えられない。湊馬の顔なんか見られない。ひたすら足元を見てるしかなくて。
「気に入らなかったから、妹ちゃんにあげたの?それがバレたから、だから返す?」
違う。違う。。。だって。。。。私は思わず顔を上げた。湊馬と視線が絡む。
「私が気に入ったものは私のものではなくなるから。」
「ふーん」
「それから、私ここには来ないようにするから」
「なんで?」
「受験生だし。勉強しなきゃだし。」
「ふーん」
さっきから湊馬はほとんど「なんで?」と「ふーん」しか言ってない。
「凛は俺のこと、好きだよね?」
思わず顔を上げてしまった。
ここで話すようになってから間もなくして、凜って呼ばれるようになったんだっけ。っていうか今、何て言われた?
「それは。。。。」
私は何も言い返すことができない。だって。。。
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