188人が本棚に入れています
本棚に追加
言えるわけがない。言ったところで私の好きなものは何でも奪われてしまうんだから。。
「このネックレスのチャーム、死んだ母親が気に入ってたチャーム」
そんな、大切なものだったんだ。それなのに。。。。。
「だいたい想像つくけど。搾取する側とされる側って感じ?病弱なふりしてる妹ちゃん、ちゃんと医者に診せて、しっかり診断してもらったほうがいいんじゃない?いつまでも妹に何でも与え続ける物わかりのいい姉ってどうかな?」
私はまた視線をそらす。湊馬のほうを見ることが出来ない。ネックレスを差し出した手を更に前に出すことしか出来なくて。
でも何で妹が病弱だったこと知ってるんだろう?それよりネックレスを返す方が重要だ。
「俺の気持ちは受け取れないってこと?」
大切に思えば奪われるだけ。
「意思は固いか。。。じゃぁ返してもらうけど、条件がある」
「条件?」
「凛の初めてを俺に頂戴」
私は湊馬に視線を戻す。いつもちょっと冷たい感じの目が今日は一段と冷たく感じる。
「じゃ、今日の帰り、俺んちな」
最初のコメントを投稿しよう!