返さなきゃ

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言えるわけがない。言ったところで私の好きなものは何でも奪われてしまうんだから。。 「このネックレスのチャーム、死んだ母親が気に入ってたチャーム」 そんな、大切なものだったんだ。それなのに。。。。。 「だいたい想像つくけど。搾取する側とされる側って感じ?病弱なふりしてる妹ちゃん、ちゃんと医者に診せて、しっかり診断してもらったほうがいいんじゃない?いつまでも妹に何でも与え続ける物わかりのいい姉ってどうかな?」 私はまた視線をそらす。湊馬のほうを見ることが出来ない。ネックレスを差し出した手を更に前に出すことしか出来なくて。 でも何で妹が病弱だったこと知ってるんだろう?それよりネックレスを返す方が重要だ。 「俺の気持ちは受け取れないってこと?」 大切に思えば奪われるだけ。 「意思は固いか。。。じゃぁ返してもらうけど、条件がある」 「条件?」 「凛の初めてを俺に頂戴」 私は湊馬に視線を戻す。いつもちょっと冷たい感じの目が今日は一段と冷たく感じる。 「じゃ、今日の帰り、俺んちな」
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